明日が見えるサプリな電子本や書籍のおすすめサイト

「明日が見えるサプリな電子本や書籍のおすすめサイト」へようこそ!
世の中、最近ほんとに難しい。ニュースを見ていても、心が温かくなるようなものは何もない。なんか世の中殺伐としてる。
 みんなくだらない番組を見て、憂さを晴らしてる感じですな。「騙されたら、あきません!」勉強せなあきません。
「明日が見えるサプリな電子本や書籍のおすすめサイト」では、皆さんにとって、元気の出る、明日が見える、あなたのサプリになるような本を紹介します。
忙しいが、毎日が疲れているあなたがちょっとでも元気になればという思いです。

2016年09月

「亡国記」(北野慶著、現代書館2015年)
二人の有名人の推薦の言葉が帯封に書かれています。
  • 【斎藤美奈子さん推薦!】 「最悪のシナリオ」が進行する中、日本を脱出した父と娘は生きのびることができるのか。ロードノベルの傑作です。
  • 【小出裕章さん推薦!】 原子力を選択することのツケ、本書に描かれている近未来を避けるためには、私たち一人ひとりが賢くなる必要がある。
 この小説は、東日本の福島原発がモチーフになっている。2017年4月1日、愛知、静岡に震度7の地震が発生。それと同時に東海地方を中心に大津波が発生。これに伴い静岡県にある原子力発電所で核爆発が起こり、主人公の妻はほぼ即死、ということからこの物語は始まる。  主人公の親子は間髪入れず、日本脱出を試み、どうにかこうにか日本は抜け出したものの、それに続く厳しい難民生活が親子二人を待ち受けていた。・・・・ 
 この本のアマゾンのサイトには全部で18件のカスタマーレビューが寄せられていますが、そのほとんどが「極めてあり得べきこと」との感想を持たれ、極めて現実的で深刻な恐れを持たれていることが分かりました。
 この本の推薦の言葉は先の二人の推薦の言葉に続けて「 【火山噴火と地震が相次ぐ日本の未来を明示!】 日本人の真価が問われるドラマ。原発と日本の地理的リスクについて見て見ぬふりをする日本には、どんな未来が待ち受けているのか? 苦難の中でも誠実に生きる親子の感動のラスト!」と警告します。
 原発賛成に方にはなおさらこの小説をお読みいただきたいと私も心から願います。
この小説と非常に似たものに「日本沈没」(小松左京著)がある。「日本沈没」のほうは、純粋に自然現象により日本列島が二つに割れ、沈没してしまうという舞台設定だ。ここでもやはり日本人が流民として世界中に散らばってしまう物語である。
 いずれの小説も最近の太平洋プレートとか津波とか色々の情報からすると起こっても不思議はないことである。「日本沈没」の話は後ほど紹介するとしよう。
 ここで言いたいのは、ぜひこれらの小説に目を通して、実際大事故や地殻変動が起こった場合に備え、何を準備しなければならないかのヒントを汲み取ってほしい。明日、明後日にも日本を逃げ出さなければならない時がくるかも知れない。心の準備と家族を守るために何ができるかよく考えてほしい。それも具体的に!

尚この小説「亡国記」を今まで見たことがない防災の視点から捉えたブログがあったので、ここで紹介する。
タイトル: 「亡国記」から読み解く防災の備え
     

    新装版 「漢字学」 
    - 「説文解字」の世界- (東海大学出版会 阿辻 哲次著)
     説文解字とは、後漢時代(紀元100年のあたり)に許慎と言う人物が完成した文献である。この書は漢字学の原典中の原典である。古今東西、中国、日本のすべての漢字学の学者はこの本から出発しているといっても過言ではない。甲骨文字が19世紀の末に発見され、許慎の時代には知るべくもなかった「甲骨文字」の研究が進み、漢字学が飛躍的に発展を遂げた。
     本書はその説文解字を真正面に据え、説文解字の時代にはなかった甲骨文字から得られた知見を加え、われわれに新しい世界を示してくれた好著である。少し読みづらいかも知れないが、漢字にどっぷり浸かっている日本人には一生に一度は手にとっていいものではないだろうか。

    「脳が壊れた」(鈴木大介著、新潮新書 2016)  この世に生を受けて、ずーと一貫して「ええ格好し」を通してきた自分にとって最も恐ろしいことは、認知症になることや自分が壊れていくことである。最近特に物忘れが激しいと自覚するようになってきて、常に認知症になっているのでは、という恐れが付きまとっている。体は特に悪いところはないだけに、頭の病気だけにはかかりたくないというのが、最大の希望である。
     そのような時に、新聞広告でこの本の発売を知りすぐさまアマゾンに申し込んだ。
     今までこの手の本は読んだことはあるが、実際に「脳が壊れた」本人が自分の「壊れた脳」で、自分の手を使って書いた本というのは、見たことがない。ある意味「死後の世界を見てきました」という体験記?と変わらない眉唾物かと思いきや、これは違う。実際に壊れた脳をほぼ元通りの機能に作り変え、この世に戻ってきた体験記だ。大いなる勇気をもらった!
     「感情失禁」という言葉があるのを初めて知った。自分は近頃「涙もろくなってきた」と考えていたものが、実は認知症の一つの現れであることを知り、「ここまで来ているのか」とある意味愕然とした。また「高次脳機能障害」についてもしかりである。
     作者が死の淵から帰ってきて、健常者と変わらぬところまで機能を回復させたという事実に驚くと同時に、闘病生活をその内面から見て「文字化」した功績は実に素晴らしいと思う。改めて、脳梗塞、脳が壊れるとはこういうことかと思い知ることとなった。
     3番目にリハビリに過程で見せた療法士の人たちのすばらしさに感心した。最近テレビなどで「日本の名医」と医者ばかりがクローズアップされることが多いが、この人々の存在はもっともっと評価していいのではないかと感じる。

    「諸葛孔明 下巻」(陳舜臣著、中公文庫)  陳舜臣は中で、「張温が感動を受けたのは、諸葛孔明の施政であった。ひとことでいえば、それは「大徳」の政治であり、「小恵」を施さないのである。(ここで張温とは四川省の山岳地帯に住んでいた少数民族の首領であり、孔明とたびたび戦い、最後は心服して孔明に仕えた)
     ・・歳貢の額を減らして住民の人心を買おうとするのが「小恵」であり、歳貢の額を地やしても、住民のために生産を地強させるのが「大徳」なのだ。信賞必罰も、孔明施政の特色である。そこにひとかけらの情実も介入できない。罰を受けた人も、孔明を怨むことはなかった。誰にたいしても公正であったからだ。」と言っている。もちろんこれは小説の世界ではあるが、今に残る史実からも諸葛亮の施政を彷彿とさせるものがある」と。 ただし今と価値観も違うし、時代も違いすぎる。孔明が今の世でも正しいというわけではないが、言いたいのは彼の政治姿勢だということだ。
     後の歴史家による誇張もあるかもしれないが、彼は、一貫して粗末な家に住み、身奇麗にして暮らしたという。そして死後財産を整理したところ、財産があまりに少なく、これが一国の丞相かと周りを驚かせたという。
     どこかの首相や知事とえらい違いだとつい思ってしまう。

    「街道をゆくー中国・蜀と雲南のみち」(司馬遼太郎著、朝日文芸文庫1998年第12刷) この本は司馬遼太郎の街道をゆくシリーズの一部を構成するものだ。氏は特に中国をくまなく踏破した最も人気のあある小説家である。
    私はこの本で彼が言いたかったであろうことを三つに整理してみた。
     ① 巴・蜀という地方の中国における地政学的な位置づけ
     ② 孔明の治世と蜀の発展
     ③ 古代民族の末裔と少数民族

     今回はこのうち1番についてのみ触れる。

     巴蜀は中国の西南に位置する広大な地域のことを言い、この地方には漢民族の祖となる民族である「羌」が長い間強大な勢力を誇っていた。この地域は中原から遠く離れ、しかも峻険な山々に遮られ、長い間いわば人跡未踏の地として中原の権力からは放置?されてきた。

     しかしながら、この地は早くから稲作が行われて、長江文明が芽生え、稗、粟を主食とした黄河文明よりも古くさえあった。
     この蜀が中国の歴史に登場するのは秦の始皇帝の2代目恵文王の時、中原に打って出るか蜀を手に入れるべきかの選択で蜀に白羽の矢が立てられ、戎狄を追い払い蜀を支配下におさめている。
     秦は蜀の太守である李冰親子に命じ岷江の治水工事を完成させ、荒ぶる大河にいくつかの堰を設け、内江と外江に分け、内江の水を四川盆地に導き、外江の水は長江に灌ぎいれた。しかも内江の水があふれたときは外江に流すように調整するなどし、四川盆地を肥沃な穀倉地帯に変えた。
     ② 劉備玄徳、諸葛亮孔明はこの地をさらに発展させ、この経済力を背景に魏や呉を脅かした。彼は蜀の桟道を設け、非常に危険な桟道ではあるが、蜀への道を整備した。さらに孔明の優れた治世により成都は蜀亡き後も大きく栄えている。
     蜀は南にヒマラヤ山系で他と隔絶し、地域内を流れる4つの大きな河、峻険な山々そして肥沃な四川盆地を抱えかつその面積はおおむねスペインに匹敵するという広大な面積を有する天然の要衝であり、穀倉地帯でもある。
    ( 続きは次回をお楽しみに下さい) 

    ↑このページのトップヘ