「亡国記」(北野慶著、現代書館2015年)
二人の有名人の推薦の言葉が帯封に書かれています。
  • 【斎藤美奈子さん推薦!】 「最悪のシナリオ」が進行する中、日本を脱出した父と娘は生きのびることができるのか。ロードノベルの傑作です。
  • 【小出裕章さん推薦!】 原子力を選択することのツケ、本書に描かれている近未来を避けるためには、私たち一人ひとりが賢くなる必要がある。
 この小説は、東日本の福島原発がモチーフになっている。2017年4月1日、愛知、静岡に震度7の地震が発生。それと同時に東海地方を中心に大津波が発生。これに伴い静岡県にある原子力発電所で核爆発が起こり、主人公の妻はほぼ即死、ということからこの物語は始まる。  主人公の親子は間髪入れず、日本脱出を試み、どうにかこうにか日本は抜け出したものの、それに続く厳しい難民生活が親子二人を待ち受けていた。・・・・ 
 この本のアマゾンのサイトには全部で18件のカスタマーレビューが寄せられていますが、そのほとんどが「極めてあり得べきこと」との感想を持たれ、極めて現実的で深刻な恐れを持たれていることが分かりました。
 この本の推薦の言葉は先の二人の推薦の言葉に続けて「 【火山噴火と地震が相次ぐ日本の未来を明示!】 日本人の真価が問われるドラマ。原発と日本の地理的リスクについて見て見ぬふりをする日本には、どんな未来が待ち受けているのか? 苦難の中でも誠実に生きる親子の感動のラスト!」と警告します。
 原発賛成に方にはなおさらこの小説をお読みいただきたいと私も心から願います。
この小説と非常に似たものに「日本沈没」(小松左京著)がある。「日本沈没」のほうは、純粋に自然現象により日本列島が二つに割れ、沈没してしまうという舞台設定だ。ここでもやはり日本人が流民として世界中に散らばってしまう物語である。
 いずれの小説も最近の太平洋プレートとか津波とか色々の情報からすると起こっても不思議はないことである。「日本沈没」の話は後ほど紹介するとしよう。
 ここで言いたいのは、ぜひこれらの小説に目を通して、実際大事故や地殻変動が起こった場合に備え、何を準備しなければならないかのヒントを汲み取ってほしい。明日、明後日にも日本を逃げ出さなければならない時がくるかも知れない。心の準備と家族を守るために何ができるかよく考えてほしい。それも具体的に!

尚この小説「亡国記」を今まで見たことがない防災の視点から捉えたブログがあったので、ここで紹介する。
タイトル: 「亡国記」から読み解く防災の備え